ごちゃ混ぜになっています💦
気になった場面をピックアップしたので
全く触れていないシーンも多いです。






客席の後ろから、煤だらけの子どもたちが「煙突掃除はいかがですか」と訴えながら歩いてくる。過酷な労働環境で怯え、弱っているのが分かる。前回には無かった演出です。そして次の瞬間には凄まじい音響とともに幕が上がります。嵐の湖。必死にボートを漕ぎながらロミオとアルフレドと子どもたちが叫ぶ。「帰りたい!行きたくない!行きたくない!」この子たちに何が待ち受けていると言うのか…思わず息を呑む衝撃的な幕開けです…
プロローグ(♪僕の故郷)
舞台装置が完全に変わった!
3年前の舞台装置はステージ中央にアーチ型の橋が架かっているのが印象的で、全体が1つの絵画のようで大好きでしたが、今回は完全に変わりましたね。前回のブリリアホールと比べてステージがそれほど大きくないので、同じものは使えなかったのかもしれません。今回は3つのブロックで構成されていて、そのブロックを回転させて違う面を見せることで、時に雑多なミラノの路地裏、時にはロッシ家、時には秘密基地など多彩に演出していました。絵になるというより、役者が縦横無尽に駆け回れる臨場感を演出していたと思います。どちらにも良さがあると思いました。
タイトルを背に全員集合して「青い空のもとここから始まる〜♪おおおおおぉぉぉぉ♪ はじまる〜♪」はやはり鳥肌ものです。ああ、私、今、再びロミミュを見てるんだ✨って感動しました。
音楽の和田さんが「おおおおおぉぉぉぉ♪」の部分、尺的に長くなっても有るのと無いのでは訴求力が違うと演出家を説得したというエピソード、本当に納得です。
客降りがふんだん!
出だしの子どもたちといい今回の舞台、客降りの演出が随所で行われます。あの、ここステージじゃありませんよ?と言いたくなるくらい普通に客席に降りてきて重要な局面もそのまま演じてしまう。通路をミラノの路地裏と思っているのかというくらい自然に通るので、こちらも次第にロミオたちの世界にいるような一体感を味わえてドキドキ…とても新鮮でした。(私は上手通路に近かったので間近にアルフレドやカセラ教授を見られて嬉しかったです☺️)
♪誓い〜別れ〜
前回は橋の上と下とで2人が縦一直線に並んで「また会おう、きっと!」と誓い合うTHE・名シーンでしたが、今回はロミオが上、アルフレドが下。3年前とは立ち位置が逆でした。そして舞台装置が違うので印象も全然違う。フィナーレではどうなるのか、アルフレドがはるか高みからロミオ達を見守ってる感が、上にいたからこそ演出できていたと思うので気になります。
♪気に入らない
アンゼルモとエッダ親子、今回も息が合ってて楽しいですね♪
ロッシ家のリビングが舞台装置のすごい高いところにあって、そこから1人ずつロミオをいびりに階段を降りて来るのですが、2人とも同じ段で同じ部分を歌い出すのがいいんですよね。
エッダ演じるあべこさんは3年前に続き続投。もうハマり役!また会えて嬉しいです。
♪スパッツァカミーノ
元々はロミオの初仕事をテンポよく楽しく応援するようなナンバーでしたが、今回は煙突掃除の過酷さを伝えるエピソードが追加されました。(アニメでは描かれているシーンです)最初はテンポを崩してまでこれ入れたんだ…と思ったのですが、ロミオが仕事をやり遂げるまでの1つの濃厚なドラマにもなっていて、屋根の上で「初めての世界」を歌い上げる頃にはなんとも言えない感動を覚えました。暗い煙突の先に青い空が待っているという体験も、希望のメタファーになっていると思います。
♪ミラノの青い空(新曲)
スケッチブックは奪われたけど、代わりに青空からの贈り物(羽)をアンジェレッタに届けたロミオ。2人が心の中でミラノの青い空を共有する場面を新曲で再現。“♪見てみたい”のリプライとされているようですが、新しいメロディでとっても素敵でした。
♪絶対に許さない
3年前のアンゼルモも惚れ込むほどの悪役っぷりでしたが、今回のアンゼルモも負けじと強烈でした。まさに1幕のラスボス。ここまで重要人物になろうとは…ミュージカルで存在感が爆上がりした特殊なキャラクターですよね。家族も狼団さえも欺きながらロミオを追い込んでいく執念。そしてついに罠にかかったロミオをいたぶるように眺めながらのリサイタル。「最高だ…あの表情!その顔が見たかった!!」ってその言葉そのまま返すよ!敵ながらあっぱれな奴です。
やってない!盗んでなんかない!どうして信じてくれないの!
ただ、この後の逃げ惑うロミオにはいつもいたたまれない気持ちになります。子どもと言えど罪人には容赦のない大人たち。探せ探せ!見つけたら監獄で鞭打ちだ!と暴力的に歌います。ロミオは盗んだ馬車に乗ることだって拒否する正直な子です。誤解なんです…でも街中を敵に回して(敵と見なされて)どうしたらいいのか分からない…本当に可哀想になります。こんな風に濡れ衣を着せられたまま酷い仕打ちを受ける子どもたちがかつて沢山いたのだろうな…
生きてたダンテ〜?
そんなロミオをダンテが助けてくれますが、相変わらず「え?再会なの?」と思う。というのもプロローグで1回出てきてはいるのですが目立たないので再会感が無いんですよね。そこで今回はダンテ(と他の煙突掃除の子どもたち)との馴れ初めを回想の形で表現してました。
でもね、再会したダンテは帽子かぶってないんですよ。回想シーンでは被ってるので、あれ?同じ人物でいいの?みたいな混乱が起きる。演者さん頭気にしてる動作があったから、私が見た回だけ帽子忘れちゃったとか?他の回はどうだったんだろう…配信で確認してみようと思います。
1幕の幕切れ
構成として1幕は、アンゼルモ&狼団の勢力を見せつけられ、ロミオはコテンパンに叩きのめされる。そんな中でやっと誤解も解け自由を手に入れるところで幕が降ります。
驚いたのは、だいたいミュージカルの1幕の終わりはいちばんの見せ場を持って来る。名曲中の名曲で歌って踊って最高に盛り上げて幕が降りるというパターンが多い。(前回のロミミュはまさにそう)だけど今回は全然違いました。「やっとアルフレドに会いに行ける…!」と希望を抱き、これから本当の仲間たちと出会うんだと予感させて静かに幕が降りるのです。1幕のうちから回想シーンや、それ以外でも少しずつ黒い兄弟たちを見せていくことで、彼らが後の重要人物だと分かる演出になっているんですよね。何かが始まる!と期待させる。こんな演出があるのだと痺れました。
先の物語を知っているのもありますが、次はアルフレドとの再会と黒い兄弟たちのターンだ!という静かな興奮を抱きつつ20分間の休憩に入りました。






ここには書き切れませんでしたが、狼団のみんなや、アンジェレッタ、アンサンブルの皆さんの活躍も素晴らしかったです。特に今回はアンサンブルの人数が増えて群舞やコーラスが一段と厚みを増して迫力がありました!
そしてロミオとアルフレドに関しては…もう言うことないです。3年前と変わらず、いや、ますます彼らのオーラを放って全身全霊で演じてらして本当に素晴らしかったです✨
第2幕へ続く